震災乗り越え今こそ前へ 食と農の未来を考えるシンポジウム

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「今こそ前へ!震災復興と農村再生へ向けて」と題して、食と農の未来を考えるシンポジウム(明治大、食と農の研究ネット主催、東京新聞共催)が今月8日、主婦や学生ら約400人が参加して東京都内の明治大リバティホールで開かれた。

福島県飯舘村の菅野典雄村長が基調講演したのに続き、東日本大震災の被災地
で復興ボランティアに携わる明治大の学生が活動報告。

続いて、明治大農学部の小田切徳美教授をコーディネーターに、「震災復興から農業・農村再生を考える」をテーマとしたパネルディスカッションを実施。菅野村長に加え、畠山房郎・JA岩手県中央会常務理事ら4人のパネリストが思いを語った。

基調講演 福島県飯舘村 菅野典雄村長

「おカネの世界」から「いのちの世界」へ
第三の転換期迎えた日本

飯舘村は人口6千人ほどの純農村で、今回の原発事故により、全村民が避難生活を余儀なくされ、約1年7カ月たった。深刻な事故から何を学ぶべきか。

▽違う価値観が必要

日本は「第三の転換期」を迎えていると言われる。「第一」は明治維新で、そこから新しい日本が生まれた。70~80年過ぎて日本は世界大戦に突入して敗れ、戦後の民主主義がスタートしたのが「第二」。第一の転換点で武士の時代が終わり、第二で軍人の時代が終わりを告げた。

では第三で何が滅びていくのか。私は、時代の流れを読めない者が滅びていくのだと思う。変化のスピードはどんどん加速している。時代の流れを読むためには、柔軟な頭、考え方を持っていることが必要だ。「今までこうだったから」という固定観念から脱却できない固い頭を持っていたら、これからは家庭、会社、大学、自治体すべてが崩壊しかねない。

日本は戦後一貫して、効率一辺倒、お金が全てだという価値観、基準で進んできた。その後遺症が今、日本中に広がっている。効率とかお金が世の中の物差しだとすれば、人と人との関係がどうしても希薄になっていく。他人に興味がなくなり、自分さえよければ他人はどうなってもいいという事案が重なる。違う価値観が必要な時代に来ているのではないか。

▽までいライフ推進

私たちの村に「までい」という方言がある。基本に忠実に、丁寧に、大切に、念入りに、じっくりと、手間暇惜しまず、心を込めて、といった概念だ。これを村の10年計画の基本に「までいライフ」を推進している。

まず戦後の大量生産、大量消費、大量破棄の暮らし方を変えようというのが一つ。二つ目は村民がお互いに相手を気遣う環境を作って住みよい地域にする。そして三つ目が自主独立。日本人は自分で考え、自分で判断し、自分で責任を取ることが少ない国民になってしまった。権利だけ主張して義務を果たさない。できることはまず自分でやろうと訴えた。

小さな村の生き残り策だと思って始めた「までいライフ」だが、原発事故が起きてみると、日本の20年、30年先のありさまにも関わるのではないかと思えるようになった。今まで私たちは、快適さ、豊かさというものをどんどん求める「足し算の思想」だった。しかし「引き算的な考え方」の中にも、本当の幸せとか豊かさというものがあるのではないか。

これからの日本は、息子の時代、孫の時代へも思いを致しながら、成熟社会のありさまをしっかり考えていかなければならない。デンマークには「年寄りたちが犯した罪の罰を子どもたちが受ける」という言葉があるそうだ。エネルギー、国の借金、自然の大切さなど、次の世代に迷惑をかけない国の政策を考えていかなければならない。

▽子孫からの感謝へ

今回の原発事故は、それに気付いてもらいたいと、神がわれわれに与えた試練ではないか。「福島の震災」ということだけで終わらせては、重い十字架を背負ったのが無駄になる。放射能の災害は他の災害とは全く違う。世代を超えて不安と闘いながら、汚された土地と闘っていかなければならない。

私たちは子孫にどんな国を残すのか。次の世代から「あの原発事故が起きたときに、日本人全てが、これじゃいけないなと考えて改革に乗り出した。あの大変さがあったからこそ、世界から尊敬される日本になった」と感謝されるようにしたいと思う。

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