Kyodo Weekly 2012年4月30日
自民党の谷垣禎一総裁は16日、共同通信社の東京きさらぎ会で講演し、消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の国会審議を通じて、野田佳彦首相を早期の衆院解散に追い込む立場を鮮明にした。年金制度では民主党の考えとの違いの大きさを強調し、与野党協議は困難だとの考えを示した。

「歴史に禍根を残さないため、選挙で信を問うプロセスが必要」と語る自民党の谷垣禎一総裁
講演「日本政治の針路と課題」の要旨は次の通り。
▽デマゴーグ政治
新年度の国会の最大案件である社会保障と税の一体改革には、二つの問題がある。
一つは政治的な問題だ。政権交代のルールという側面を見失ってはいけない。子ども手当や農家への戸別所得補償、最低保障年金などは典型的な大きな政府の施策だ。これを「小さな財政でできる」と言うのは究極のデマゴーグ政治だ。こういうことを政権交代のたびに繰り返す愚は避けなければならない。
もう一つは政策的な問題だ。消費税率を10%に上げる問題に限れば、私と首相の考えに大きな差異があるとは思わない。ただ、社会保障改革の議論は煮詰まっておらず、「一体改革」とは有名無実だ。最低保障年金を含む新年金制度は影も形も見えない。後期高齢者医療制度に代わる新制度も出せないだろう。
第三極に耳目が集まるのは、既成政党では物事が決まらないという国民のいらだちがあるからだろう。しかし、できもしないマニフェスト(政権公約)を守ろうとする人と、これを臆面もなく破り捨てる人が混在しているところに、物事が決まらない原因がある。「既成政党」という言葉で十把ひとからげにしてもらいたくない。
結局はマニフェストを整理し、けじめをつけることが不可欠だ。首相が「不退転の決意」「政治生命を懸ける」と言ったのは非常に重い。首相は言葉通りに行動し、政治に対する信頼を確立してほしい。実現できないなら、衆院を解散して国民に信を問うか、内閣総辞職を図る覚悟だと理解している。歴史に禍根を残さないため、選挙で信を問うプロセスが必要だ。

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