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特集:50歳以上の7割が感染しているといわれる「ピロリ菌」

ピロリ菌対策の食生活

食事の中で減菌することもOK!
 ピロリ菌に感染していると、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんになるリスクが高いことは明らかになっていますが、除菌は胃・十二指腸潰瘍と診断された場合のみに保険が適用され、その他の疾患では対象になっていません。
  また、ピロリ菌に感染していても何も症状が出ない人も多くいることから、研究者や医師によっては、除菌で抗生物質を用いることにより耐性菌が生じてしまうため「症状が出るまで除菌の必要はない」 という意見もあり議論が続いています。
  実際、除菌で用いる抗生物質の1つクラリスロマイシン耐性化率は、96年には9.1%でしたが、99年では18.7%と急増したというデータもあります。

 そこで、生活の中で食材を用いて減菌する研究が進んでいます。
たとえば、これまでにヨーグルトブロッコリースプラウトフコイダン緑茶などがヒト試験の結果、殺菌力や減菌力をもっていることが確認されています。
ヒト試験の結果
ヨーグルト
 ピロリ菌陽性者に対しての比較試験(東海大学医学部 高木敦司教授、古賀泰裕教授、国立国際医療センター内視鏡部 上村直美医師、松江赤十字病院総合診療科 井上和彦医師、社会保険滋賀病院健康管理センター 中島滋美医師、東京医大内視鏡センター 河合隆教授)で、LG21乳酸菌が、ピロリ菌減菌作用、胃粘膜炎症を軽減する効果があることが確認できました。
  30歳以上の104人(男性36人、女性68人)を2つのグループに分け、1つのグループにはLG21ヨーグルトを、他のグループにはLG21を含まないヨーグルトを1日1個(90g)を12週間、食間に食べてもらい、胃粘膜の炎症の程度(ペプシノゲン:以下PGとする)、ピロリ菌の量(便中抗原OD値)、悪心・嘔気などの推移を調べました。

LG21ヨーグルトを食べたグループでは、
(1) 胃粘膜の萎縮が進行した人では、炎症が軽減する人が多く認められ (PGⅠ/Ⅱ比3以下の人に、PGⅠ/Ⅱ上昇、PGⅠ上昇)、
(2) 胃粘膜の萎縮が進行しピロリ菌保有量が多い人では、炎症が軽減しピロリ菌の量も減少(摂取前の便中抗原OD値1.5以上かつPGⅠ/Ⅱ比3以下の人に、PGⅠ/Ⅱ上昇と便中抗原OD値の低下)
ということが確認できました。
LG21を含まないヨーグルトを食べたグループには、上記のような変化はありませんでした。

上記より、LG21はピロリ菌陽性者、特に胃粘膜炎症のひどい人に対してピロリ菌を減菌させると考えられます。
ブロッコリースプラウト
 筑波大学消化器内科の谷中昭典講師はピロリ菌感染者50人を「ブロッコリーの新芽を食べる群」と「モヤシを食べる群」の2群に分けてそれぞれ毎日70gずつ、2ヶ月食べさせました。ブロッコリーの新芽を食べた群では摂取後、ピロリ菌の活性が約30~60%減少。これはブロッコリーの新芽にはスルフォラファン成分が含まれていたからです(2005年)。
フコイダン
 フコイダンとはモズク、ワカメ、昆布に含まれるぬめり成分です。ヤクルト中央研究所の長岡正人研究員は、11人にフコイダンを含むお茶を100mg1日1回10日間飲んでもらい、胃の中のピロリ菌を調べる呼気試験をしたところ、摂取前よりピロリ菌が半減していることがわかりました。再度、同じ試験をしても再現性があることがわかりました(2005年)。
緑茶
 県西部浜松医療センター消化器科の山田正美医師は、茶カテキンがヒトに感染したピロリ菌に対して抗菌効果があるか検討しています。研究ではピロリ菌陽性のボランティア34人にカテキン入りのカプセル100mg(濃いお茶1杯分のカテキン量)を1日7カプセル、1ヶ月投与して、尿素呼気試験で抗菌効果を検討しました。
 その結果、カテキン内服後1ヶ月で半数以上の被験者のピロリ菌活性低下が認められました。また、6人(17%)で尿素呼気試験の結果が陰性になり、ピロリ菌の殺菌効果が認められました(1998年)。

※ココア・梅・ガーリックは動物研究においてピロリ菌減少効果が見られていますが、
  ヒトに対する効果には不明です。

5-3.LG21って何?
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