Kyodo Weekly 2012年4月9日
首都圏で直下型の巨大地震が発生した場合、国の予想では東京都の390万人など首都圏全体で650万人の帰宅困難者が出る。東京都では都心の港区などが主要な企業と帰宅困難者対策について協定を締結、ビルの管理・所有者は帰宅困難者の受け入れについて具体的な対策に着手し始めた。都心に高層ビルを所有する不動産大手3社は帰宅困難所の受け入れ対策など大地震への備えを進めている。
▽防災隣組を組織
三菱地所は、東京駅前などオフィスが集中する丸の内、大手町、有楽町地区に多数のビル群を所有している。これらの地区の昼間の人口は約23万人。三菱グループの主要企業が本社を構えるほか、日本を代表する企業の本社が集中している。2004年にはビルオーナー、テナントによる横断的な組織「東京駅周辺防災隣組」が設立され、月1回の会合や年1回の避難訓練などを行っている。
ビルの1階エントランス、商業ゾーンなどが帰宅困難者や一時避難者の受け入れ場所になるとみており、東京都議会が先月下旬に可決、成立させた「帰宅困難者対策条例」で、三菱地所のいくつかのビルが受け入れ場所として指定を受けることになるという。
主なビルは非常用に自家発電装置を備える。東日本大震災で中圧ガス配管の耐震性の高さが確認されたことから、新しいビルには重油ディーゼルと供給安定性の高い中圧ガスによる二重の自家発電装置を導入する予定。
情報連絡用に配備していたNTTドコモの衛星携帯電話は、東日本大震災の発生当日はつながらなかったため、複数の回線を持つマルチチャンネルアクセス無線を通信手段として使う。無線のため一方向の通話になるが、電話がつながらないような事態でも通信可能だという。
地震発生後の長周期地震動によりエレベーターのロープが絡まる可能性に対応し、ロープを留め金で留めるなどの対策を取る。
JR、地下鉄関係者との情報共有も進めており、丸の内、大手町、有楽町の地域が一体となって対策を取れるようにしている。災害発生時の三菱地所のビル全体を管理する、大手町にあるビル管理企画部の久保人司副長は「大地震発生時の初期ポイントは情報、水、電源を確保できるかどうかだ」と話している。

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